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| 従来型の住宅から健康に配慮した住宅への転換は意外にもハードルが高い.単に自然素材や低害建材を用いるだけではなく,施工からメンテナンスまで含めて対応しないとトラブルのもとになる. |
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健康仕様の住宅は,一般の住宅に比べ,建材自体の価格が高く,工事も手間がかかるため,どうしても割高になる.設計の工夫や,材の調達方法,施工者選定時の見積もり合わせなどを活用してコストダウンを図ることが不可欠だ.設計面ではできるだけ部材の標準化を図り,簡便な施工を実施できるようにする.日本より厳しい安全基準をを設けている国の部材を輸入するのも有効な手法だ.また分離発注方式の施工方法を採用するのもひとつのやり方だろう. |
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健康に配慮した家を設計する場合,図面や特記仕様書は非常に重要な意味をもつ.設計サイドではきちんと建材を選定し具体的な商品名まで仕様書に盛り込むことが,間違い防止につながる.特記仕様書は設計サイドの考え方を施工サイドに明確に伝達する役割も担う.健康や環境に対する考え方を別途総則として明示する設計者もいる.常識的なことは省き,大切なことだけ記すのも有効な方法だ.また,必要があれば設計図書の中に施工要領書を盛り込むことも検討する. |
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クライアントとのコミュニケーションには十分に時間をかける.身体に害を与えないか不安に思う建て主が多いからだ.親身になって相談を受け,建て主の化学物質への感受性や生活習慣なども把握する.建物に使う材料の特性はデメリットも含めて丁寧に説明し納得してもらう.また,以前に手がけた住宅や建設中のの現場に足を運んでもらい,直に住まいを体験してもらうことも大事だ.どんな家が建て主の体質に合うかを見極める指標になり,トラブルを未然に防ぐことにつながる. |
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自然素材や低害建材は従来の建材に比べてデリケートだ.身体に害を与えないかわりにカビやダニ,シロアリ,腐れなどに弱いものが多い.建材を十分に呼吸させ,換気計画を綿密に行う.また,家の一部分だけを健康仕様にすることは避けた方がよい.新建材と共存させると居心地のいい自然素材に集中的に虫が発生したりする.日射にも気を配る.建材の表面温度が上がると化学物質の放散量は増える.高気密化を図る場合は換気量に合わせて放散量を特に抑える必要がある. |
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建材については,まだ化学成分の表示などが一般化していない.メーカーがパンフレットなどに記載しているデータは,優れた特性しか書いていないものが多い.自然素材などを扱うメーカーは規模が小さい所が多く,データのないものもある.できれば,成分表を含めてサンプルを取り寄せ,有害物質が入っていないかどうかを自分の目で確認する.また建材だけでなく造作家具や建て主が持ち込む家財やカーテンにも有害物質が入っていないかどうかを確かめることも肝要だ. |
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健康仕様の家づくりには,施工サイドも慣れていない.そのため少しでも経験のある施工者を選ぶことことがひとつのポイントになる.施工経験のない施工者に仕事を依頼する場合,現場監督や職人をあらかじめ面接してやる気や仕事ぶりを確認する.施工者と一緒に建材を見て材料の特性を把握し,施工法を相談することも大事だ.監理には細心の注意をはらう.仕様書通りの材料を正しい方法で施工しているかチェックする.工期は長めに設定し施工中や引き渡しの前の換気を励行する. |
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自然素材や低害建材は必ずしも使い勝手が良い材料ばかりではない.建物の使い方や生活の仕方,メンテナンスの方法などを建て主にきちんとアドバイスしておかないと後々トラブルになる.メンテナンスの予行演習も兼ねて建て主に施工に参加してもらうことも有効な手段だ.建築物に愛着を持つきっかけにもなる.竣工後の使い勝手やクレームについても積極的に聞くように心がける.通常の建材と違って効能や耐久性が解りにくい低害建材などの特性を知ることにつながる. |