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例2 竣工後しばらくして施主の奥さんが目がチカチカするという話しがでた.この建物も鉄筋コンクリート造で外断熱工法,高気密・高断熱住宅で,健康仕様に注意した住宅であるが落とし穴があった.工事現場に建て主が足を運ぶのはよくあること.ましてや夢にまで見たマイホームが姿形を見せ,内部の仕上げに入り始めたら興味をもたないはずがない.そこが落とし穴であった.内装業者と施主の奥さんが勝手に寝室等のクロスを決めてしまっていたことだった.ホルムアルデヒトの放散料をメーカーの協力で計ってもらったらWHOの基準値である0.08PPMを超える0.2PPM程度の数字がでた.省エネルギー効率を高めるために換気量は絞り込んであるので,それが追い打ちをかけている. 改修工事では,まずビニールクロスをはがし,下地に残った接着剤からでるホルムアルデヒトを吸着するために吸着シートを1週間にわたって設置.その後ノンホルムのクロスを選定し,全面的に張り替えた.改修後の測定では,ホルムアルデヒトの放散量は約0.04PPMにまで下がった. |
| その後のクレームはない.設計者はすでにビニールクロスのような新建材はできるだけ用いず.紙製の壁紙などの自然素材に近いものを使うように心がけていた.換気量の少ない住宅は,できるだけ化学物質の放散量の少ない建材を選ぶのが無難であるという考えも持っていた.設計仕様書に壁紙まできっちり指定して書き込んでいなかったのも反省点の一つ.ビニールクロスは使わないように明文化しないといけない. |
| 設計の仕様について十分な会話が行われていなかった典型的な例である.ある意味で,健康仕様という「流行=はやり」で要望している人も多いはず.だから現場で見栄えのするきれいなサンプル帳を見てしまえば,そっちに興味がいってしまうもの.と同時に,工事現場での変更は絶対に行ってはいけない約束事.また現場でもうるさい設計者がいない間に,施主の合意を取ってしまおうなんていう発想もあるはずだし,もっと「良くない施工業者」であれば,わざと割高の変更をたきつけて最後にお金を請求するようなボッタクリのようなケースも多々ある.工事現場で変更したい所があるなら必ず設計者を通すのが基本.施主が現場で意見をいったり,指図を始めると現場サイドもどっちを見ていいか解らなくなってしまう.設計後の変更は後々金銭面でもめる原因の一つだ. |