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木造住宅とシロアリ

「シロアリの研究」


シロアリの被害


シロアリは雑食性で、加害力の強い昆虫ですので、その被害はきわめて広範囲に及び、気づいたときは被害がかなり進行していることが多いのです。

簡単にできるシロアリ発見法


シロアリの生息地であれば、シロアリ被害はどこでも起こりうる可能性があります。シロアリは風呂場、台所、洗面所、便所など比較的暖かく水をよく使うところに多く発生します。
建物をシロアリから守るには、早期発見が何よりも重要です。シロアリがついていないかは、誰でも次の手がかりで簡単に調べられます。


 蟻道・・・・・・・・・・・・・・
シロアリは地中から土でトンネル(蟻道)をつくって建物へ侵入して来ることが多いので時々建物の床下や周辺を調べて基礎や束石、土台などの表面に蟻道がついていないかを確かめます。

 蟻土・・・・・・・・・・・・・・
シロアリは風や光を嫌い、適当な湿度を保つために、木材の割れ目や継ぎ目に排出物や土砂(蟻土)を運んできて詰めたり盛り上げたりします。

 食痕・・・・・・・・・・・・・・
シロアリは木材の軟らかい春材部を好んで食べ、硬い秋材部を食い残しますので木口面では年輪に沿って同心円状の食痕を示します。シロアリは明るい所では木材の表層を残して内部だけを侵食しますので、木材の表面から強く押したり、ドライバーでほじくると簡単に穴が空いたり壊れたりします。シロアリの被害が進んだ木材は内部が空洞となりますので、木材をハンマーでたたくと空洞音がします。

 建物の変状・・・・・・・・・・・
シロアリ被害が進んだ建物では、家の中を歩くと畳や床板が何となくくぼむ感じを受けたり、柱が下がり、棟や軒の稜線が波をうち屋根瓦がずり落ちたりふすまや障子、雨戸などの立て付けが悪くなったりします。

 羽アリ・・・・・・・・・・・・・
羽アリの群飛期はシロアリが人前に姿を現す唯一の時期ですので、シロアリ発見の絶好のチャンスです。群飛の時期や時刻に注意していれば、シロアリの種類の判別にも役立ちます。ヤマトシロアリは4〜5月の昼間に、イエシロアリは6〜7月の夜に電灯に飛来します。アメリカカンザイシロアリは6〜9月の昼間に少数ずつ何回も飛来し、ダイコクシロアリは5〜8月の夜に少数ずつ電灯に飛来します。

 乾材シロアリの糞・・・・・・・・
アメリカカンザイシロアリやダイコクシロアリは乾燥した木材だけを食害し、被害材の外に糞を排出します。被害材の下に乾いた砂粒状の糞がたまっており、数十倍に拡大して見ると真ん中がへこんだ米俵状をしている場合はカンザイシロアリの被害です。

シロアリとアリの見分け方


シロアリは名前や形、大きさ、生活様式などがアリに似ていますが、アリとはまったく違った種類の昆虫で、アリの仲間ではありません。シロアリとアリは次の点で簡単に見分けられます。


・アリの触覚は「く」の字状をしてますが、シロアリの触覚は真珠のネックレスのように数珠状をしています。
・アリの羽は前羽が後羽より大きいのに対して、シロアリの羽は4枚ともほぼ同じ大きさで同じ形をしています。
・アリは腰の部分がハチのように細くくびれていますが、シロアリでは細くなっていません。

建築物を加害するシロアリ


建築物を加害するシロアリはヤマトシロアリとイエシロアリです。その他、最近、乾材シロアリの仲間であるアメリカカンザイシロアリとダイコクシロアリの被害が増えてきています。

 ヤマトシロアリ・・・・・・・・・・・・
頭部がほぼ円筒状でタイチョウの1/2の長さで、液は出しません。
北海道北部を除くほとんど日本全土に分布しています。特別に加工した塊状の巣はつくらず、加害箇所が巣を兼ねており、適当な生活場所と餌を求めて集団で移動する習性があります。特に乾燥に弱いので、常に湿った木材や土中で生活しており、建物では土台や床束、大引、根太など、主に建物下部を加害します。本種の被害は腐朽と同時に起こることが多く、食痕は多湿で汚いです。

 イエシロアリ・・・・・・・・・・・・・
頭部は卵形で体長の1/3の長さで、虫に触れると頭部先端から乳白色の液(防御物質)を出します。
神奈川県以西の海岸線に沿った温暖な地域と南西諸島、小笠原諸島に分布しており、最近は千葉県木更津市、館山市でも発見されています。建物や地中に塊状の大きな巣をつくり、数十万匹多いものでは100万匹にも達します。したがって、加害速度も速く、被害は激烈です。建物の乾燥した木材でも水を運んできて湿らせながら加害しますので、被害は建物全体に及びます。食痕は乾燥していてきれいです。

 アメリカカンザイシロアリ・・・・・・・・
頭部はほぼ円筒状でヤマトシロアリに似ていますが、体長の約2倍ほどあり、頭部が体長の1/3の長さです。触覚の基部から3番目の環節が他節より長大なのが特徴です。液は出しません。
1976年に東京都江戸川区で発見されて以来、現在までに数十か所で見つかっています。今後、木材や荷物などとともに運ばれ、さらに生息圏を拡め、被害が拡大する恐れがありますので、十分注意する必要があります。特別に加工した巣や蟻道をつくることなく、乾燥した木材中に坑道を穿って小集団で生活しています。生活には、特別に水を必要とせず、建物の乾材やピアノ、ステレオ、たんす、鏡台、机などの家具類を食害します。被害材の食害孔から乾いた砂粒状の糞を排出するのが特徴です。

 ダイコクシロアリ・・・・・・・・・・・
頭部は前面が裁断状で、横から見ると、大黒天の頭部に似ているので、この名称がつけられたものです。体長の1/4の長さで、液は出しません。
現在のところ、奄美大島以南に分布しており、日本本土では発見されておりませんが、沖縄県ではかなりの被害があり、今後本土に侵入する恐れがあります。乾材シロアリの一種で、被害状況や加害習性はアメリカカンザイシロアリによく似ています。

 シロアリの一生


シロアリは社会性昆虫で、女王、王、副女王、副王、働きアリ、兵アリなどの階級があって、それぞれ仕事を分担しあって生活しています。

 女王、王・・・・・・・・・・

巣から飛び出した羽アリが地上に降りて雌雄がカップルとなって巣をつくり女王と王になります。交尾、産卵により子孫を増やし、その集団の繁栄を図るのが任務です。1つの巣のシロアリはみんな女王と王の子供ということになります。女王の腹部は産卵につれて伸長肥大して、ヤマトシロアリでは体長十数ミリ、イエシロアリで40ミリにも達し、寿命は10〜15年で、一生の間に100万個以上の卵を産みます。

 副女王、副王・・・・・・・・・
女王や王が死んだり、傷ついた場合に女王、王の代わりをする階級です。

 働きアリ・・・・・・・・・・・
最も個体数の多い階級で全体の90〜95%を占め、巣や蟻道をつくったり、修理、清掃をするほか、餌の採取、運搬、育児、他階級への供餌など、シロアリ界のあらゆる労務を受け持っています。

 兵アリ・・・・・・・・・・・・
外敵からの防衛に当たる階級で、突出したはさみ状の大顎や堅固で大きな頭部、それに頭部先端から放出する防御物質などを武器にして外敵と戦います。発達したコロニーでは2〜3%程度を占めています。

早期発見がなによりも肝要


シロアリは「暗黒の住者」と言われるように、通常明るい所を避けて活動する習性がありますので、一般に目につきにくく、気づいた時には被害が相当進行していることが多く、地震や台風による建築破壊の原因となりとても危険です。

大切な住まいをシロアリ被害から守り、地震や台風による被害を最低限に食い止めるには、定期的にシロアリの調査を行い、シロアリやその被害を早く発見して退治することです。それよりもさらに被害を受ける前に適切な予防策を講じておくことが何よりも肝要です。新築時の方が防蟻施工がやりやすい上に比較的安価で行えます。

(しかし,防蟻施工で使う薬品が体に良くなく問題点である.特に,空気の循環を考えたソーラーサーキット式住宅などは,天井裏に集めた暖かい空気を縁の下に空気を循環させるわけだから十分な注意が必要であり,出来れば「土間コンクリート」(床下をコンクリートの施工をしてしまう)の施工が良いかと思います.ひきつずき研究していきたいと思います)

注意したい環境

(1)シロアリを駆除した家が近くにある

シロアリは地続きの土の中を移動してきます.

(2)結露の多い家

現代の住宅は,気密性が高く室内に結露を生じやす環境です.湿気が床下の木材の腐れや,カビの原因となり,それがシロアリの繁殖に適した環境になります.

(3)床下が低く通風が悪い家

シロアリは,暗くて湿った所を好みます.木材腐朽,カビの発生も心配です.

(4)周囲に雑木林,切り株,古材がある家

地面に直接接した木材はシロアリが進入し,周囲に大きく営巣します.

(5)設備機器に水漏れのある家

台所,風呂場,洗面所などの配水管の施工不良等があると床下に水が流れ込んで,湿気させることにより床下の環境が悪くなります.

(6)雨漏りのある家

雨漏りがあると,木材が湿気してシロアリを招きます.被害が縁の下だけでなく用以上に高いところまで及ぶことになります.雨樋の水漏れも注意しましょう.



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